暇々
ひまひま
名詞
標準
文例 · 用例
患者の暇々には日に何べんとなくやつて来て、そしてはあんたを抱いたものだ。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
)ただ、人と争うことであって、その暇々に、私たちは、何かおいしいものを食べなければいけないのである。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
君は故郷に帰っても、仕事の暇々には、心あてにしている景色でもかく事を、せめてもの頼みにして札幌を立ち去って行ったのだろう。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
御奉公の暇々にはたずねて参られい」 思いのほかに叔父の機嫌が直ったので、そばに聴いている兼輔もほっとした。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
伴の家では、伴のお内儀さんや阿部のお内儀さんも出て来て、てきぱきと家の中の細かい仕事を片付け、――暇々には、小作の家を廻って歩いて「女は女同志」その方からも結束を固めていた。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
私は学校の暇々に、自分でも鍬を執って、すこしばかりの野菜を作ってみているが、どうしても未だ彼等の心には入れない。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
で、彼は軒で薪を割りながら暇々に家の中の人声に気をつけた。
— 横光利一 『南北』 青空文庫
だから暇々にちょくちょく誰か見せにやって下さいな、夜だけ、じいやを、とまらして下さると尚いい。
— 宮本百合子 『蛋白石』 青空文庫