薄鈍
うすのろ異読 ウスノロ
名詞形容動詞
標準
half-wit
文例 · 用例
驢馬と豚小春日和の牧の野で、※と鵞が落ち合うて、噂に聞いた薄鈍の驢馬と豚とを比べたら、どちらが兄で偉かろと※と鵞のものがたり。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
加けにいろいろな作り声をするので、全く誰が云ふのか聞きわけもつかぬが、事毎に、目マルの馬鹿野郎とか、目マルのしみつたれとか、目マルの薄鈍野郎などといふ声が鮮明だつた。
— 牧野信一 『創作生活にて』 青空文庫
この鎧植騒ぎが起るやいなや桐渡ガラドウは即座に年々歳々の賽銭の高を計上して、「あの薄鈍先生から五十か百の金でふんだくれば、濡手で粟だ。
— 牧野信一 『バラルダ物語』 青空文庫
尤も猿公のなかでも、少し薄鈍なのは、餌を食べると直ぐ遁げ出すので滅多に捕へられる事はないが、智慧自慢の小慧いのに限つて、猟師の真似をして、戸棚に入るといきなり扉を閉めてしまふので、ついもう出られなくなる。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
一か年|真黒な服を着ていた麗人たちの薄鈍色に変わったのも艶に見えた。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
室の奥のほうに向こうを向いてすわっている女王の後ろでは薄鈍でない他のお召し物に姫君をお着かえさせるようにとか女房らが言っていて、だれもが今夜で結婚が成立するもののようにして、こそこそとその用意をするらしいのを、姫君はあさましく思っていた。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
この時分に式部卿の宮と言われておいでになった親王もお薨れになったので、薫は父方の叔父の喪に薄鈍色の喪服を着けているのも、心の中では亡き愛人への志にもなる似合わしいことであると思っていた。
— 蜻蛉 『源氏物語』 青空文庫
うらがれの園にしとれる石づくゑ、琢ける面の薄鈍み曇るわびしさ、――「歡樂」は待てどかへらず。
— 蒲原有明 『有明集』 青空文庫
作例 · 標準
例句