御忌
ぎょき
名詞
標準
文例 · 用例
十三日、辛卯、鴨社の氏人菊大夫長明入道、雅経朝臣の挙に依りて、此間下向し、将軍家に謁し奉ること度々に及ぶと云々、而るに今日幕下将軍の御忌日に当り、彼の法花堂に参り、念誦読経の間、懐旧の涙頻りに相催し、一首の和歌を堂の柱に注す、草モ木モ靡シ秋ノ霜消テ空キ苔ヲ払フ山風同年。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
桜の盛りにはまだなっていなかったが、三月は母后の御忌月であったから、この月が選ばれたのである。
— 乙女 『源氏物語』 青空文庫
中宮はこれにお心が惹かれてずっと御実家生活を続けておいでになるのであるが、音楽の会の催しがあってよいわけではあっても、八月は父君の前皇太子の御忌月であったから、それにはばかってお暮らしになるうちにますます草の花は盛りになった。
— 野分 『源氏物語』 青空文庫
新しい婿迎えの形式をとるのも他人が見ておかしく思うことであろうから、そんなふうにはせずによい機会に直接話してみたほうがよいかもしれないなどと思っていたが、三月の二十日は大宮の御忌日であって、極楽寺へ一族の参詣することがあった。
— 藤のうら葉 『源氏物語』 青空文庫
賭弓の競技が御所で二月にありそうでなかった上に、三月は帝の母后の御忌月でだめであるのを残念がっている人たちは、六条院で弓の遊びが催されることを聞き伝えて例のように集まって来た。
— 若菜(下) 『源氏物語』 青空文庫
宮様の御忌日のことはあの阿闍梨に万事皆頼んできました。
— 宿り木 『源氏物語』 青空文庫
中の君が父宮の御忌日に託して宇治へ行き、そのまま引きこもろうとするのに賛同を求めるふうであるのを知って、「宇治へ引きこもろうというようなお考えをお出しになってはいけませんよ。
— 宿り木 『源氏物語』 青空文庫
八の宮の御忌日に僧を集めて法事を宇治で薫が行なってくれたのに対する礼状なのであって、おおげさに謝意は述べてないが好意は深く認めているらしく思われた。
— 宿り木 『源氏物語』 青空文庫