碁経
ごきょう
名詞
標準
文例 · 用例
大風の凪ぎたる迹に孤屋の立てるが如く、侘しげに留守せる主の隆三は独り碁盤に向ひて碁経を披きゐたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
十六 その晩「鈴慕」を、宇津木兵馬は、自分の座敷で「碁経」を読みながら聞いておりました。
— 鈴慕の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「碁経」は、宿に有合せのものを旅のつれづれに、ひろげて見ただけのものですが、それでも、多少下地があるものですから、見て行くうちに興をひかれて、なるほど、ここはこうして打つものかな、こんな手もあったものか知らん――と注意して行って、なるほど、定石を打つと二三目は弱くなるそうだが、弱くなるのが本当だ。
— 鈴慕の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
それで、聞き終ると共に一種の哀愁を覚えて、「碁経」の巻を閉じました。
— 鈴慕の巻 『大菩薩峠』 青空文庫