毒茸
どくたけ
名詞
標準
文例 · 用例
」 山伏の言につれ、件の毒茸が、二の松を押す時である。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
谿河の水に枕なぞ流るるように、ちょろちょろと出て、山伏の裙に絡わると、あたかも毒茸が傘の轆轤を弾いて、驚破す、取て噛もう、とあるべき処を、――「焼き食おう!
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
」 と、山伏の、いうと斉しく、手のしないで、数珠を振って、ぴしりと打って、不意に魂消て、傘なりに、毒茸は膝をついた。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
ラプンツェルは魔の森に生れ、蛙の焼串や毒茸などを食べて成長し、老婆の盲目的な愛撫の中でわがまま一ぱいに育てられ、森の烏や鹿を相手に遊んで来た、謂わば野育ちの子でありますから、その趣味に於いても、また感覚に於いても、やはり本能的な野蛮なものが在るだろうという事は首肯できます。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
さうして玉虫と斑猫と毒茸と……いろいろの草木、昆虫、禽獣から放散する特殊のかをりを凡て驚異の触感を以つて嗅いで廻つた。
— 北原白秋 『水郷柳河』 青空文庫
両側の狭い浅い溝には、襤縷片や葫蘿蔔の切端などがユラユラした※泥に沈んで、黝黒い水に毒茸の様な濁つた泡が、プクプク浮んで流れた。
— 石川啄木 『赤痢』 青空文庫
兩側の狹い淺い溝には、襤褸片や葫蘿蔔の切端などがユラユラした涅泥に沈んで、黝黒い水に毒茸の樣な濁つた泡が、ブク/\浮んで流れた。
— 石川啄木 『赤痢』 青空文庫
見るとそれは蠅取り茸、紅茸、草鞋茸、馬糞茸、狐の火ともし、狐の茶袋なぞいう毒茸の連中でした。
— 夢野久作 『きのこ会議』 青空文庫