逃げ登る
にげのぼる
動詞
標準
文例 · 用例
義弟鬼頭九八郎の性格から、まもなくこの事あるを予見して、悪者共に追われて命からがら阿蘇山に逃げ登る前、予備の九つの鍵をバラバラにして、とっさの間に、どんな人も想像のできない方法で隠してしまいました。
— 野村胡堂 『九つの鍵』 青空文庫
それから約二十五分後に、見上げるような大浪が押し寄せたが、浪頭の飛沫がものすごく輝き、その夜は霧深く暗かったにもかかわらず、逃げ登る足元が見えるぐらい明るくなった(三陸沖強震及津浪報告)。
— 武者金吉 『地震なまず』 青空文庫
李姓のなにがしという男が中州に旅行している時、その土地に大水が出たので、近所の山へ登って避難することになったが、水はいよいよ漲って来たので、その人はよんどころなく更に高い山頂に逃げのぼると、そこに小さい草の家が見いだされた。
— 子不語 『中国怪奇小説集』 青空文庫
男は暗い女坂を逃げのぼるので、半七も根よく追って行ったが、坂上の手水鉢のあたりで遂にその姿を見失った。
— 廻り燈籠 『半七捕物帳』 青空文庫
猪の群に追われた山猫が、さんざん逃げ廻った末、やっと高いシャボテンの木に逃げのぼるカットがあるが、これなどがその良い例である。
— 中谷宇吉郎 『ディズニーの人と作品』 青空文庫
それどころか、山猫がシャボテンに逃げのぼることすら、予期できない事件である。
— 中谷宇吉郎 『ディズニーの人と作品』 青空文庫
途端にぱた/\と土手の上へ逃げ上る文吉の足音が聞えます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
巨魚タマカイに追われて生命からがら独木舟に逃げ上ることもある。
— 幸福 『南島譚』 青空文庫