悪戯心
いたずらごころ
名詞
標準
文例 · 用例
力のやり場に困って身もだえの果、とうとうやけくそな悪戯心を起し背中いっぱいに刺青をした。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
酒井三良氏と、磯部草丘氏と、大智勝観氏と、そして私がこの三人を列べたといふことは、出鱈目に選んだのでも、悪戯心から組み合したのでもない。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
すると彼女は、一寸彼を嘲弄して見たい悪戯心が起つて、「創作なの?
— 牧野信一 『父を売る子』 青空文庫
……ほんの妾の悪戯心から、差しあげた独楽が原因となって、こんな恐ろしいことになるなんて。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
不意を襲って、正直な垣内を、真赤に恐縮させたい悪戯心が、フイと彼の心に萌したのである。
— 宮本百合子 『渋谷家の始祖』 青空文庫
飛行機・複葉・とんぼ・無数の水々しい飛行機――新鮮な果実のような、悪戯心に満ちた反撥と弾力をじっと押さえて、OH!
— 虹を渡る日 『踊る地平線』 青空文庫
大木の上から事の体を一通り見下ろした米友は、その無雑作に立てかけられた十文字の九尺柄の槍を見ると、むらむらと悪戯心が起りました。
— 禹門三級の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
この場合、中へ飛び込んで、あの男を助けて来るのは容易なことではないが、あの槍を取り上げてしまうのは、さしたる難事ではないと気のついたのが、米友の悪戯心をそそったわけです。
— 禹門三級の巻 『大菩薩峠』 青空文庫