伏勢
ふくぜい異読 ふせぜい
名詞多音語
標準
ambush
文例 · 用例
煙草盆に香の薫のみして、座にいまだ人影なき時、瀧君の此の光景は、眞田が六文錢の伏勢の如く、諸葛亮の八門遁甲の備に似て居る。
— 泉鏡太郎 『九九九會小記』 青空文庫
處で、※さんは、伏勢のかはりに、常山の蛇、尾を撃てば頭を以て、で、所謂長蛇の陣を張つた。
— 泉鏡太郎 『九九九會小記』 青空文庫
」 實際、遠く是を望んだ時は――もう二三日、奧州の旅に馴れて山の雪の珍しくない身も、前途に偶と土手を築いて怪しい白氣の伏勢があるやうに目を欹てたのであつた。
— 泉鏡太郎 『飯坂ゆき』 青空文庫
対岸を望むと船が多く繋いであるが、敵の伏勢が居ないとも限らない。
— 菊池寛 『碧蹄館の戦』 青空文庫
明軍の方でも既に斥候を放つばかりでなく、遠近の山野に伏勢を布いたりした。
— 菊池寛 『碧蹄館の戦』 青空文庫
十時森下の一隊は伏勢を察して、此処かしこ距離を置いて鉄砲を放ち、大勢であるが如くに見せかけた後、突入したから伏勢は追い出されて散々である。
— 菊池寛 『碧蹄館の戦』 青空文庫
愚図々々|吐すと、処々に伏勢は配ったり、朝鮮伝来の地雷火が仕懸けてあるから、合図の煙管を払くが最後、芳原は空へ飛ぶぜ、と威勢の好い懸合だから、一番景気だと帳場でも買ったのさね。
— 泉鏡花 『註文帳』 青空文庫
昔戦国の時、駿河の今川義元、数万の兵を率いて織田信長を攻めんとせしとき、信長の策にて桶狭間に伏勢を設け、今川の本陣に迫りて義元の首を取りしかば、駿河の軍勢は蜘蛛の子を散らすがごとく、戦いもせずして逃げ走り、当時名高き駿河の今川政府も一朝に亡びてその痕なし。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
作例 · 標準
敵は油断している。今こそ伏勢を仕掛ける絶好の機会だ!
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