縦観
じゅうかん
名詞
標準
文例 · 用例
白砂山から西の方赤石山に至る上信国境の山々は略高さの平均した長い山脈を縦観する為に、到底一つ一つの山を区別することは不可能であった。
— 木暮理太郎 『秋の鬼怒沼』 青空文庫
椈やシデ、槭などの闊葉樹が岩の斜面にしっかりと根を下して、緑の蔭を翳している木の間伝いに、どこからともなく大嵐の吹きすさぶに似た音が響いて来るが、この尾根の高所に居てさえ、河身を縦観し得るのは、僅に其あたり数町の間に過ぎない。
— 木暮理太郎 『黒部川を遡る』 青空文庫
或は黒湯山ではないかと思ったが、容易に白い斜面を見せないのは、山を縦観する為であろうから、恐らく御飯岳に相違あるまいと思われる。
— 木暮理太郎 『望岳都東京』 青空文庫
早くもその第一日、欅平の巖頭に立って、はるか上流まで真一文字に、河原もほとんどない大峡流を縦観した時、まったく黒部であって、黒部以外の谷でない、と感嘆したものだった。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫