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膝元

ひざもと異読 しっか
名詞多音語頻度ランク #39930 · 青空 95
1
標準
near one's knee
文例 · 用例
翁がこの木の下にしばし疲れを安めるために憩うたのは、一つは、葉の茂みの軟かさにもあるのだろうが一つは微紅色をした房花に、少女として自分の膝元に育て上げていた時分の福慈の女神の可憐な瞳の面かげを見出していたのではあるまいか。
岡本かの子 富士 青空文庫
私は世にも情無い気持になりまして、それではこの金は要らないのか、と言いますと、彼女は落ちついて自分の膝元を顎で差し、ここへ置きなさい、と言うのです。
太宰治 男女同権 青空文庫
いらっしゃいいらっしゃいと雛妓を膝元へ呼んで、背を撫でてやりながら、その希望のためには絶対に気落ちをしないこと、自暴自棄を起さないこと、諄々と言い聞かした末に言った。
岡本かの子 雛妓 青空文庫
彼はゆつたりと坐つて作法のやうに受汚で茶盞を拭ひ、茶瓶の蓋を開けて中を吟味し、分茶盒と茶罌を膝元に引付けた。
岡本かの子 上田秋成の晩年 青空文庫
節子、冷然と坐ったままでいたのであるが、ふと、膝元の白い角封筒に眼をとめ、取りあげて立ち、縁側に出てはきものを捜し、野中のサンダルをつっかけ、無言で皆のあとを追う。
―――一幕三場 春の枯葉 青空文庫
」と、またもや、財布から、一歩金一つ取り出して、婆の膝元に投げ出した。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
将軍家のお膝元という江戸も頗る物騒で、押込みの強盗や辻斬りが毎晩のように続く。
岡本綺堂 青空文庫
狭い店先には瞽女の膝元近くまで聞手が詰って居る。
長塚節 太十と其犬 青空文庫
作例 · 標準
犬が飼い主の膝元に寄ってきて、尾を振りながら遊んでほしそうに見上げている。
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暖炉の火が燃える中、おばあちゃんの膝元で編み物の様子をじっと眺めていた。
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彼女は膝元に散らばった書類を慌てて拾い集め、カバンに詰め込んだ。
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2
標準
(by) one's side
作例 · 標準
「いつも私の膝元にいてくれた君がいなくなって、家の中が寂しくなったよ」
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信頼できる部下を常に膝元に置き、いざという時の判断を仰ぐようにしている。
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愛娘を自分の膝元から嫁に出す日は、父親にとって最も辛い日になるだろう。
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3
標準
place under the protection (of one's parents, etc.)
作例 · 標準
都会での生活に疲れ、彼は再び親の膝元に戻って農業を継ぐ決心をした。
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「まだ若いのだから、親の膝元を離れて広い世界を見てきなさい」と言われた。
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いつまでも親の膝元で甘えていては、自立した大人にはなれない。
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4
標準
territory of a powerful person
作例 · 標準
有力議員の膝元であるこの選挙区では、他党の候補者が当選するのは至難の業だ。
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将軍の膝元である江戸の街には、日本中から物資が集まってくる。
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その企業城下町は、まさに巨大メーカーの膝元として経済が回っている。
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5
標準
address used after the names of one's parents, grandparents, etc. in a letter
作例 · 標準
田舎の両親へ宛てた手紙の末尾に、敬愛を込めて「御膝元」と書き添えた。
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祖父母への手紙で宛名の後に「膝元」と記すのは、古風だが丁寧な表現だ。
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封筒の表書きに「父上様 膝元」と書き、彼はポストに投函した。
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