嗉嚢
そのう
名詞
標準
bird's crop
文例 · 用例
カヤリの煙がユラユラと壁に映つて、十一時頃であり、そのうちまた出掛けさうな気配にもなつたりして、時は刻々に過ぎつゝあつた。
— 中原中也 『思ひ出す牧野信一』 青空文庫
それとも東京で養生してゐるうちには、そのうち癒るつもりであつたのだらうか?
— 中原中也 『逝ける辻野君』 青空文庫
而も、文学志望で文学が書けぬといへば、尠くも近頃は「困つた」と思ふが、「いいものを書いてゐるが認められぬ」といふことは、「まあまあそのうちなんとかなるよ」と、それも甚だ好い気な調子で肩叩かれる。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫
帰つて来て、彼等の身体検査をしてみますと、そのうち二十名がイヤな病気に冒されてゐました。
— 中原中也 『我邦感傷主義寸感』 青空文庫
そのうち五名は非常に重く、学校をも欠席してゐました。
— 中原中也 『我邦感傷主義寸感』 青空文庫
実に神経を使はなくては、何時も綺麗でキチンとしてゐるとはいくまい婦人の和服といふものは、段々改良されてはゆくのであらうか、なぞとそのうち僕は考へ始めたものである。
— 中原中也 『三等車の中(スケッチ)』 青空文庫
相手は次第に気の毒さうにしはじめ、そのうち少し私を「脳不足」だといふ意味の目配せを主人やお主婦さんと交すやうになつた。
— 中原中也 『西部通信』 青空文庫
「あんたトラックに一緒に乗つて行つて荷物を運び入れてゐて頂戴、そのうち私も行くから」と云ふ。
— 中原中也 『引越し』 青空文庫