物我
ぶつが
名詞
標準
文例 · 用例
もっとむずかしい表現法を用いると物我対立と云う事実であります。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
何が故に平地に風波を起して、余計な私と云うものを建立するのが便宜かと申すと、「私」と、一たび建立するとその裏には、「あなた方」と、私以外のものも建立する訳になりますから、物我の区別がこれでつきます。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
すると通俗の考えを離れて物我の世界を見たところでは、物が自分から独立して現存していると云う事も云えず、自分が物を離れて生存していると云う事も申されない。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
換言して見ると己を離れて物はない、また物を離れて己はないはずとなりますから、いわゆる物我なるものは契合一致しなければならん訳になります。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
物我の二字を用いるのはすでに分りやすいためにするのみで、根本義から云うと、実はこの両面を区別しようがない、区別する事ができぬものに一致などと云う言語も必要ではないのであります。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
物我などと云う関門は最初からない事になりました。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
(一)私は最前空間、時間の建立からして、物我の二世界を作ると申しました。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
(二)物我のうち物に対する理想と情操とは以上で大抵御分りになったろうと思います。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫