幻辞.com

水々

水々
名詞
1
標準
文例 · 用例
そして準備が完成した時、一先ず蛹となって昏睡し、再度新しく世に出た時には見ちがうばかりに美しい肉体と旺盛な性慾を持ったところの、水々しい青春の男に化している。
萩原朔太郎 老年と人生 青空文庫
実際こうした詩の情操には、何らか或る鮮新な、浪漫的な、多少西欧の詩とも共通するところの、特殊な水々しい精神を感じさせる。
萩原朔太郎 郷愁の詩人 与謝蕪村 青空文庫
それらの山の裾へひろがるところの、違い棚のように段を作っている水田からは、稲の青葉を振り分けて、田から田へと落ちる水が、折からの旱天にも滅げず、満々たる豊かさをひびかせて、富士の裾野のいかにも水々しい若さを鮮やかに印象している。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
それに比べると、夏の富士は、焙烙色に赭ッちゃけた焼け爛れを剥き出しにした石山であるのに、この水々しさと若さは、どうしたものであろう。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
この辺の人が、セント・ジョルジ・ギルドの人たちのように、糸車を挽いて、木綿を手織って衣ているかどうかを知らないが、風呂の水も、雑用の水も、熔岩の下から湧く渓河から汲み上げて、富士の高根の雪解の水と雨水との恩恵の下に、等分に生きていることを思うと、富士の裾野の水々しさに、一倍の意義があると思われる。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
三 大宮と吉田 東から南へと、富士を四分の一ばかりめぐっても、水々しい裾野はついて廻った。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
その凸点だけを残したほかは、全部樹海や、大裾野の緩斜地で、すりおろしのわさびの、水々しい緑にひたっている。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
才之助は驚愕して、着物を抱き上げたら、その下の土に、水々しい菊の苗が一本生えてゐた。
太宰治 清貧譚 青空文庫