聴致
ちょうまつむろ
名詞
標準
文例 · 用例
ですから、わたくしに近づく危険をどう避ければよいのか教えてくださると思って……」「傾聴致します。
— THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND 『まだらのひも』 青空文庫
伯父さんこれが苦沙弥君です」「いや始めて御目にかかります、毎度迷亭が出て御邪魔を致すそうで、いつか参上の上御高話を拝聴致そうと存じておりましたところ、幸い今日は御近所を通行致したもので、御礼|旁伺った訳で、どうぞ御見知りおかれまして今後共|宜しく」と昔し風な口上を淀みなく述べたてる。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
私も貴方の事を吹聴致します。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
違うたもんじゃ違うたもんじゃとギヤマン茶碗や、延寿の刀や、姉妹の妾を見せびらかして吹聴致しているので皆、顔を背向けている。
— 夢野久作 『名君忠之』 青空文庫
そう致しましたら何しろタッタ一人のお世継の事で御座いますから、伯爵様がキット若様をお探しになるに違いない、その御心配の潮時を見計らいまして、私がコチラへお伺い致しまして、万事のお話を拝聴致しまして、失礼では御座いますが御家の御為になりますように取計らいたいと存じた次第で御座いますがね。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
「今宵は折あしく、のっぴきならぬ所用があって、鳥渡其処まで行きます途中、何れ明日にも参上いたし、御用の趣きも承り、且つは久々にての御物語もお聴致し度う存じまする……」「今宵は何ぞ用があると仰せらるるか」 露月は失望したように、「なれどもそれは今夜に限った用でもあるまい。
— 三上於兎吉 『艶容万年若衆』 青空文庫
「手前の考えは些違います」「ハイハイお説はいずれその中ゆっくり拝聴致すとして、第二に戯作というこの商売、岡眼で見たほど楽でげえせん」「いやその点は覚悟の前で……」「ところで、これ迄文のようなものを作ったことでもござんすかえ?
— 国枝史郎 『戯作者』 青空文庫
勿論、謹聴致しましたが、ああ云う年の暮には、やっぱり、二十八日に書いて下すったような心持もほしいわね。
— 一九四三年(昭和十八年) 『獄中への手紙』 青空文庫