尊覧
そんらん
名詞
標準
文例 · 用例
けれど信玄も義元も氏康も、各※自国の攻防と一身に気をとられて、まだその挙のないうちから、謙信は、天文二十二年のまだ弱冠のころに逸はやく上京し、時の将軍義輝を介して、朝廷に拝し、天盃を賜わり、種々の献上物を尊覧に入れなどして、臣謙信の把る弓矢の意義を世に明らかにしていた。
— 吉川英治 『上杉謙信』 青空文庫
光秀は、はっと、何か胸のうちを信長に衝かれたように、頭を下げて、「御命なれば、いつなりと、地の図をひいて、尊覧に供えます」「なぜ、いいつけを待たねばせぬか」「御軍勢のうちに加わりながら、異心あるやに似たような申し方にござりますが、たとえ、わずかな年月でも、かつて朝倉家の粟を喰んだことのある光秀。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
これはそこに立った三宅式部や村上和泉守などが、門内の番士へ向い、「これは中国へ下る明智の軍勢に候うが、右大臣家の尊覧を仰ぐため、勢揃いして罷り越え候。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
尊覧に入れる前に、そっと拭っておりましたので、その光鋩が室にみちたのでございましょう」 と騒ぐ色もなく、剣を差出した。
— 桃園の巻 『三国志』 青空文庫