片袖
かたそで
名詞
標準
one sleeve
文例 · 用例
)といって片袖を前歯で引上げ、玉のような二の腕をあからさまに背中に乗せたが、じっと見て、(まあ、)(どうかいたしておりますか。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
」と向うへ突いた、男の身が浮いた下へ、片袖を敷かせると、まくれた白い腕を、膝に縋って、お柳は吻と呼吸。
— 泉鏡花 『木精(三尺角拾遺)』 青空文庫
但し試用――一|回限り……」と二|行に最一|度読みながら、つひ、銀の鍋を片袖で覆ふて入つた。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
」 と心着くと、これを嫗に握られた、買物を持った右の手は、まだ左の袂の下に包んだままで、撫肩の裄をなぞえに、浴衣の筋も水に濡れたかと、ひたひたとしおれて、片袖しるく、悚然としたのがそのままである。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
些と凹凸なく瞰下さるる、かかる一枚の絵の中に、裳の端さえ、片袖さえ、美しき夫人の姿を、何処に隠すべくも見えなかった。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
藁を分けた艶なる片袖、浅葱の褄が船からこぼれて、その浴衣の染、その扱帯、その黒髪も、その手足も、ちぎれちぎれになったかと、砂に倒れた婦人の姿。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
二 その若い妓は、可愛い人形を抱くように、胸へ折った片袖で、面を蔽う姿して、「堪忍して下さいな。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
……上衣無しで、座敷着の上へ黒縮緬の紋着の羽織を着て、胸へ片袖、温容に褄を取る、襲ねた裳しっとりと重そうに、不断さえ、分けて今夜は、何となく、柳を杖に支かせたい、すんなりと春の夜風に送られて、向うから来る姿。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
作例 · 標準
「あれ、片袖だけまくってるよ。もしかして新しいファッションのつもり?」と友人にからかわれた。
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激しい稽古を繰り返した末、長年愛用していた柔道着の片袖がボロボロに引きち切れてしまった。
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左右非対称なデザインが特徴のこのドレスは、あえて片袖をなくした大胆なカッティングが美しい。
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コートの片袖にだけソースをこぼしてしまい、慌ててクリーニング店に駆け込んだ。
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