荊
けい
名詞
標準
文例 · 用例
」 一議に及ばず、草鞋を上げて、道を左へ片避けた、足の底へ、草の根が柔に、葉末は脛を隠したが、裾を引く荊もなく、天地閑に、虫の羽音も聞えぬ。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
山は次第に深くなり、小径は荊棘の中に消えてしまった。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
しかしその華やかにして遠慮がちな新婚生活は、一心同体となって勇ましくも荊棘多き人生行路を突き進まんには、余りに果なき生活であります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
さていよいよ猟場に踏み込むと、猟場は全く崎の極端に近い山で雑草|荊棘生い茂った山の尾の谷である。
— 国木田独歩 『鹿狩り』 青空文庫
しかし多数の読者を導いてこのルクレチウスの花園に入るべき小径の荊棘を開くにはぜひともこれだけの露払いの労力が必要であると思った。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
丙は時として荊棘の小道のかなたに広大な沃野を発見する見込みがあるが、そのかわり不幸にして底なしの泥沼に足を踏み込んだり、思わぬ陥穽にはまって憂き目を見ることもある。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
黒髪は乱れて頸に縺れ頬に懸り、ふッくりした頬も肉落ちて、裾も袂もところどころ破れ裂けて、岩に縋り草を蹈み、荊棘の中を潜り潜った様子であるが、手を負うた少年の腕に縋って、懐紙で疵を押えた、紅はたちまちその幾枚かを通して染まったのである。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
」 折から炉の底にしよんぼりとする、掬ふやうにして手づから燻した落葉の中に二枚ばかり荊の葉の太く湿つたのがいぶり出した、胸のあたりへ煙が弱く、いつも勢よくは焚かぬさうで冷い灰を、舐めるやうにして、一ツ蜒つて這ひ上るのを、肩で乱して払ひながら、「煙い。
— 泉鏡花 『二世の契』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
荊(けい、いばら) いばら。つる性のバラのことを指す。ノイバラを参照のこと。 荊州。中国の歴史的地名。 荊国。前漢の行政区画。 荊氏。中国の姓。
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