開口音
かいこうおん
名詞
標準
(of Chinese) pronunciation of kanji without a medial between the initial consonant and center vowel
文例 · 用例
一首の諧調音を分析すれば不思議にも加行の開口音があったりして、種々勉強になる歌である。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
作例 · 標準
韻図(いんず)の縦軸において、唇をすぼめる介音(かいおん)を伴わない「開口音」は、合口音と対をなす重要な分類項目である。
中世の日本語では「クヮ(合口音)」と「カ(開口音)」が明確に区別されていたが、江戸時代までに両者の混同が進み、現代では開口音に統合された。
漢字の音韻を研究する際、まずそれが開口音か合口音かを確認することが、等呼(とうこ)を正しく判別するための第一歩となる。
「家」の字の音は、かつての合口音「クヮ」から開口音の「カ」へと変化したが、現代でも一部の地域や伝統芸能のなかにその名残が見られる。
標準
(of Japanese) the long "o" vowel arising from combination of the "a" and "u" sounds
作例 · 標準
平安時代から鎌倉時代にかけての日本語には、ア列音とウ列音が合わさった「開口音」という長音が存在し、当時の人々はこれと合口音をはっきりと使い分けていた。
「孝行(かうかう)」や「道理(だうり)」といった語は歴史的仮名遣いで「ア・ウ」の形を取る開口音であり、現代の「オー」という発音とは異なる響きを持っていたとされる。
国語学の授業で、中世のキリシタン資料に記されたローマ字綴りを分析し、当時の開口音と合口音の発音の差異について議論した。
古典文学を深く理解するためには、歴史的仮名遣いの背景にある開口音の概念を知り、当時の言葉の響きを想像することが欠かせない。