滅前
滅前
名詞
標準
文例 · 用例
二・二六事件の秘史というものが、当時の内部関係者であったファシスト軍人によって主観的に合理化してかかれたものが公表されるし、日本海軍潰滅前後の物語も、当時の連合艦隊参謀長というような人々によって執筆されはじめた。
— 宮本百合子 『ことの真実』 青空文庫
まさに、消えなんとする灯は、滅前、鮮らかな一|閃の光りを放つ。
— 第六分冊 『新書太閤記』 青空文庫
ところが、その猛射は、滅前の一燦だった。
— 第八分冊 『新書太閤記』 青空文庫
下へ落ちた伝八は、ただ一刀に絶命して、「ウームッ……」 と枯れ草の根をつかみ、滅前の一|燦ともいうべき断末苦を、ピクリ、ピクリ、と四肢の先に脈うたせているばかり、 ですが。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
「じたばたするなッ」「むむむッ、一|刻ちがいッ……」 滅前の一|燦、おそろしい念力で対手の腕くびへ歯を立てる。
— 剣山の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫
いま滅前の一|燦をまたたいている。
— 五丈原の巻 『三国志』 青空文庫
むしろ死相の死にもの狂いと、滅前の一閃ともいうべき、凄絶さを極めていた。
— 新田帖 『私本太平記』 青空文庫