荒め
あらめ
形容動詞
標準
文例 · 用例
いってもよいか」 しかし、相手の前衛を勤める六人の浪人共は、今、もう必死とみえて、いずれも呼吸のみ荒めながら無言でした。
— 後の旗本退屈男 『旗本退屈男 第三話』 青空文庫
男たちは自から荒められて、女の挙りて金剛石に心牽さるる気色なるを、或は妬く、或は浅ましく、多少の興を冷さざるはあらざりけり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
君の御馬前に天晴勇士の名を昭して討死すべき武士が、何處に二つの命ありて、歌舞優樂の遊に荒める所存の程こそ知られね。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
華奢風流に荒める重景が如き、物の用に立つべくもあらず。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
心が荒めば従って言葉までが荒んで来る。
— 宮城道雄 『声と性格』 青空文庫
言葉なり声なりが荒めば、それによって心の荒みを他人に感じさせ、従って他人をも荒ませることになる。
— 宮城道雄 『声と性格』 青空文庫
零れし種子の奇しきかな、我生荒める※にだに惠み齎らす「信樂」の朝の一つや、何物もこれには代へじ、「慈悲」の御手は祕むれど、銀の衡、金の秤目、その極の星にかかれる身の錘。
— 蒲原有明 『有明集』 青空文庫