低吟
ていぎん
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
quiet recitation (of a poem)
文例 · 用例
痩馬に乗せられ刑場へ曳かれて行く死刑囚が、それでも自分のおちぶれを見せまいと、いかにも気楽そうに馬上で低吟する小唄の謂いであって、ばかばかしい負け惜しみを嘲う言葉のようであるが、文学なんかも、そんなものじゃないのか。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
鐘塔が三時を報ずると間もなく、もう闇の裏にも何となく、朝の近づくけはいがする、ものの動く力を感ずる、森の木の葉は鮮な風に微動し、野の声、水のささやき、ありとある物象は微笑し低吟する。
— 辻村伊助 『続スウィス日記(千九百二十三年稿)』 青空文庫
遊ぶにしたところで、蘭燈の影暗く浅酌低吟などという味なんぞは、毛唐にわかってたまるものか。
— 白雲の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
旅館寒燈|独り眠らず客心何事ぞ転た凄然故郷今夜は千里の思ひ霜鬢明朝また一年 さすがにこの除夜の詩はいつの大晦日に低吟してもぴつたりと胸に来るものがある。
— 宮地嘉六 『老残』 青空文庫
私は炉端でウィスキーを酌みながらこの詩を低吟した。
— 宮地嘉六 『老残』 青空文庫
過去を聯想するには、その時代、その時分にはやつた流行歌をうたつて見るに限る――日清談判破裂して……この歌を低吟すると霜やけの痒ゆかつた幼年時の冬が思ひ出される。
— 宮地嘉六 『老残』 青空文庫
老人はよくそれらの最初の小節を低吟して、「これこそ音楽だ」と断言し、「旋律のない近代の安音楽」との軽蔑的な比較をもち出した。
— JEAN CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
蝸牛角上何事をか争わん……石火光中|此の身を寄す……富に随い貧に随いしばらく歓楽す……口を開いて笑わざるは是れ痴人のみ……老人は、何時かそんな詩を低吟していた。
— 木村荘十 『雲南守備兵』 青空文庫
作例 · 標準
夜更けの書斎で、老人は静かに詩を低吟していた。
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彼の低吟は、聞く者の心に深い感動を与えた。
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彼女は幼い頃、母が歌う子守歌を低吟するのをよく聞いていた。
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