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肉声

にくせい
名詞頻度ランク #33035 · 青空 117
1
標準
natural voice (without a microphone)
文例 · 用例
そのたびにレールの軋音は肉声に消され、電燈はひときは明るくなるやうに思はれる。
中原中也 三等車の中(スケッチ) 青空文庫
そして男子の太い声と婦人の清く澄んだ声と相和して、肉声の一高一低が巧妙な楽器に導かれるのです、そして「たえなるめぐみ」とか「まことのちから」とか「愛の泉」とかいう言葉をもって織り出された幾節かの歌を聞きながら立っていますと、総身に、ある戦慄を覚えました。
国木田独歩 あの時分 青空文庫
前者では往々たとえば一人の歌手の声が途中で破れていわゆる五色の声を出すような不快な感があるのに、後者では、いろいろの音域の肉声や楽器の音の集まった美しい快い合奏を聞くような感じを与えるのである。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
もっともピアノなどにはしばしば相当長い独奏曲があるにはあるが、これはしかし、見方によれば常にあまたの同時に響く音の並行であって、肉声ならばちょうど四部合唱のようなものを一つの器械を借りて一人の手で奏しているようなものである。
寺田寅彦 連句雑俎 青空文庫
肉声で聴く場合には色々の煩わしさが伴ってかえって心の沈潜が妨げられることがあるが、レコードは旋律だけの純粋な領域をつくってくれるのでその中へ魂が丸裸で飛び込むことができる。
九鬼周造 小唄のレコード 青空文庫
ラヂオといふものを、大変ふしぎなもの、肉声がそのまま伝つてくるものと思つてゐた私は、この不自然な器械的の音声を、どうしてもラヂオとは思へなかつた。
萩原朔太郎 ラヂオ漫談 青空文庫
不愉快な雑音も殆んどなく、まづ実の肉声に近い感じをあたへる。
萩原朔太郎 ラヂオ漫談 青空文庫
そしていまそれを肉声で現実に聴くのだ。
岡本かの子 母子叙情 青空文庫
作例 · 標準
マイクなしで歌う歌手の肉声は、会場全体に響き渡った。
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