前車
ぜんしゃ
名詞
標準
car in front
文例 · 用例
そのおもなる原因は、畢竟そういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車の顛覆を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう。
— 寺田寅彦 『天災と国防』 青空文庫
源|頼朝は、前車の覆轍に鑑みて、容易に鎌倉を離れなかつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
……以前車の通った時も、空でないと曳上げられなかった……雨降りには滝になろう、縦に薬研形に崩込んで、人足の絶えた草は、横ざまに生え繁って、真直に杖ついた洋傘と、路の勾配との間に、ほとんど余地のないばかり、蔦蔓も葉の裏を見上げるように這懸る。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
しかしながら人の常情として、古い教に頭を下げることを好まず、車を前車に随わすことを悦ばず、才能も拙く智恵が浅いにもかかわらず、我自ら独自のことを為そう欲し、自らを大とし自らを用いようとするものである。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
今度は私自身がその仕舞図を描くことになったのですから、そんな前車の轍をふまないように注意しなくてはいけないと思って緊張しているのです。
— ――文展に出品する仕舞図について―― 『謡曲仕舞など』 青空文庫
露西亜人の性情と境遇からはああした無茶苦茶な、間違った過程を取らねばならなかったのかも知れませんが、それに由って世界の人間は反対な教訓を受取り、どの国民も決してあの暴状を摸ねようとは考えないのですから、露西亜人は世界人類のために前車の覆轍を示したことになります。
— 与謝野晶子 『三面一体の生活へ』 青空文庫
で、それは高いと云つたら、そんならこつちが五十銭出すからお前車を挽いておれを乗せて行けと云つて、空嘯いたさうだ。
— 岸田國士 『北支物情』 青空文庫
以上、書家輩の誤った習字学を挙げて前車の覆りたる光景に譬えたりとて、誰か識者のあって異議挟む者があろう。
— 北大路魯山人 『書道を誤らせる書道奨励会』 青空文庫
作例 · 標準
急ブレーキをかけた前車に追突しそうになった。
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交通渋滞の原因は、前車の故障だったようだ。
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運転中、前車のテールランプが急に消えたので驚いた。
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ウィキペディア
前車 は大砲の架尾や砲弾車(caisson、ケーソン)・鍛冶車の後部を支えて、牽引を容易にするため2輪の荷車。
出典: 前車 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0