深山薄雪
ふかやまうすゆき
名詞
標準
文例 · 用例
登山をする人が、始めて深山薄雪草の白い花を見付けて喜ぶのは、ここの谷間である。
— 森鴎外 『木精』 青空文庫
あなたは久しく物の色というものをごらんになりませんね、ですから、しっかりとこの深い色、汚れのない色をごらんあそばせ、そうして、花の名もよく覚えていて下さいな、深山薄雪といって、わたしの名と同じことなんです」 その花を、竜之助の眼の先につきつけました。
— 鈴慕の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「そんなにいやがるものじゃありません、それは白馬ヶ岳の雪に磨かれた深山薄雪や、梅鉢草とは違います、ここのは、眼の碧い、鬚の赤い異国の人が持って来て、人の生血を飲みながら植えて行った薬草なんですもの」「もう御免下さい」「あなたには嫌われてしまいましたねえ。
— 胆吹の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
二千百米の附近では深山薄雪草、苔桃、粘り芒蘭、梅鉢草、珍車、虫取菫などが新に加った。
— 木暮理太郎 『利根川水源地の山々』 青空文庫
その中に倉橋君が来る、晃平を殿として、一行が揃う、こう霧がひどくては、方角も何も解らない、晃平は荷を卸して、路を捜索に出たが、無益に戻って来た、岩の間を点接して、トウヤクリンドウ、ミヤマキンバイ、ミヤマウスユキソウ、チングルマなどがあったが、風と霧と雨の中で、一々眼に止めていられない。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
ミヤマウスユキ草の咲きみだれる国境の稜線がすぐ上にあった。
— 久生十蘭 『一の倉沢』 青空文庫