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珍饌

ちんせん
名詞
1
標準
文例 · 用例
然るに只管珍饌異味を搜求して調理せんとし卻て日常の飯を作すこと甚だ疎なるを致すが如きは、正しきを失つて居るのである。
幸田露伴 努力論 青空文庫
おしやますとはどんなところから名が出たのか知らぬが、おしやますの吸物といえば、珍饌中の珍饌に数えられてある。
佐藤垢石 岡ふぐ談 青空文庫
加役に根深と芹を刻んで鍋に入れ、少々味噌を落として汁を作り、それから賽の目に切った熊の肉を投じ、ふつふつと煮立てて口へなげ込んだところ、まことに濃澹な珍饌に、驚いたのであった。
佐藤垢石 香熊 青空文庫
そうであるとするならば、いも虫、みみずも、ヒルも珍饌として味の季節を持っているであろうか。
佐藤垢石 季節の味 青空文庫
しかし、これは要するに今回狸肉がおいしく食べられたというのは、一流の料理人の手にかかり、調味のあんばいよろしきを得たからであろうけれど、これを素人料理にしたら結局銀狐の肉と同じように手がつけられぬ珍饌となって、味聖に幻滅を感ぜしめるのではあるまいか。
佐藤垢石 たぬき汁 青空文庫
よしやそれが贖物の千位の一位にも足らぬものであろうとも、美衣も珍饌も重宝も用をなさぬ永遠の若返りのために、彼はそうすることを欲しているのである。
――黙子覚書―― 夢は呼び交す 青空文庫
――されば、馳走の膳も、客来一味の簡粗たるも、山海の珍饌を以てお待ちくださるも、御随意にお始めあるがよろしかろう。
吉川英治 上杉謙信 青空文庫
左慈は、直ちに、「されば、季節は冬、百味の珍饌あるも、一花の薫色もないのは、淋しくありませんか。
図南の巻 三国志 青空文庫