然らしめる
しからしめる
動詞-一段
標準
to put into a state
文例 · 用例
成程それが時勢の然らしめる所かも知れないが、もしさうならば差当つて芸術作品の創造をしなくなるのが当然であらう。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
それなのに何時も私の心にはキチツと決つた風景が浮ぶところをみれば、或ひは潜在記臆とでもいふものがあつて、それが然らしめるのではないかと、埒もないことを思つてみてゐるのである。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
此の大なる事實をば、單に其の人の操守の不確や意志の不固や性質の輕浮に歸して解釋しても解釋は出來るのであるが、それよりは寧ろ人々の内部に潜んでゐる自然の要求が然らしめるのであると解釋した方が、正鵠に中つては居ないで有らうか。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
文章に対して潔癖を持つ氏は作品に対しても同様であって、最近氏は、探偵小説にも筆を染められるに至ったが、ある人が氏の探偵小説「銀三十枚」に感心してかかる優れた作品を生むのは氏の人格の然らしめるところであろうと言ったのは私も大に賛成である。
— 小酒井不木 『国枝史郎氏の人物と作品』 青空文庫
尤も常識外推進的な角度自身からすれば、之は社会政策の代用品や何かではない、挙国一致は挙国一致として価値があるのであって、それが社会政策に類似するとすれば、つまりそれは挙国一致の一偶性の然らしめる処と云う他ない。
— 戸坂潤 『挙国一致体制と国民生活』 青空文庫
(十二) 意志と現象 自我の發揮して來るのは、生きたいと云ふ本能の然らしめるところであつて、本能の内部的必然力を運命と云つても善いし、また意志と見ても善い。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
「追分」が悲しいと思ひつく人もあらうが、「追分」その物の、出処に近い中央日本での方が、以前はもつと違つたものだつたかも知れないし、尺八に乗つて謡はれてゐる声は、声自身が悲しいといふよりも、尺八を携へて流浪した人の生活が訴へる幾代の旅愁が然らしめるものだと思ふ。
— 折口信夫 『東北民謡の旅から』 青空文庫
これは一に舞台の構造が然らしめるのではあるが、またもう一つは、台詞がしつかりはひつてしまつた後でなければ芝居をあけないから、その必要がないとも云へるのである。
— 岸田國士 『ジャック・コポオの印象』 青空文庫
作例 · 標準
彼の並外れた努力が、現在の成功を然らしめたと言える。
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運命が二人を再会せしめ、そして過酷な別離を然らしめた。
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劣悪な環境が、彼を犯罪へと然らしめることもあっただろう。
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