薄べったい
うすべったい
形容詞
標準
文例 · 用例
籐畳に並んだ長いちゃぶ台と、木綿の薄べったい座蒲団。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
薄べったい角張ったものらしい。
— 甲賀三郎 『支倉事件』 青空文庫
きっとあなたは持っていらっしゃらないものだと思う」「――わからない」 蜂谷は、太い指さきで、小さくて白くて全く薄べったい長方形のつつみを大事にひろげて行った。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
れんじ窓よりにこの寝台が置かれて、上に水色格子のタオルのかけものがひろげてあり、薄べったい枕がのせられてある。
— 宮本百合子 『風知草』 青空文庫
青年といっても、学生といっても、学生と会社員との中間に当るくらいの年配と様子とで、セルの着物を一枚無造作にひっかけた恰好が、肩の骨立った張り工合から、腰の薄べったい痩せ工合など、呼吸器でも悪そうな風の男で、細面の顔が蒼白かった。
— 豊島与志雄 『阿亀』 青空文庫
「あっ……」 と、身をねじ曲げたのは、何か、黒い見上げるような影が、さっと、廊下におどり上がったので、人を呼ぼうとしたのですが、もう一方の薄べったい掌が、自分の口をおさえていて、どうする事もできません。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
そこに、憂鬱な顔を突き合せて、黙然と、意気地もなく坐っている老父の薄べったい肩と、老母の曲った背を見出すと、左兵衛佐は、胸が塞がった。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
むしろの上に、雑巾のような薄べったい夜具が敷いてあった。
— みなかみ帖 『私本太平記』 青空文庫