懐子
かいし
名詞
標準
文例 · 用例
まことに、旅は大正昭和の今日、汽車自動車の便あればあるままに憂くつらくさびしく、五十一歳の懐子には、まことによい浮世の手習いかと思えばまたおかしくもある。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
くみは富家の懐子で、性質が温和であった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
境遇の懐子たる純一ではあるが、優柔なeffemineな人間にはなりたくないと、平生心掛けている。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
境遇の懐子たる純一ではあるが、優柔な 〔effe'mine'〕 な人間にはなりたくないと、平生心掛けている。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
並みの懐子とは違って、少しの苦しみや愁いくらいは驚きゃしないから」「それもそうだし、第一金さんのとこへ片づいて、辛抱の出来ないようなそんな苦しいことや、愁いことがあろうわけがなさそうに思われるがね。
— 小栗風葉 『深川女房』 青空文庫
謂わば、懐子或は上田秋成の用語例に従えば、「ふところおやじ」である人さえ多すぎる為である。
— 折口信夫 『歌の円寂する時』 青空文庫
言はゞ懷子のやうな一生だつた。
— 折口信夫 『水中の友』 青空文庫