建て前
たてまえ
名詞
標準
文例 · 用例
母屋に近い藤棚のついた二間打ち抜きの部屋と一番|端れの神楽堂のような建て前の棟はもう借手がついていた。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
ワーキンググループのメンバーは、あくまで所属部署の仕事を持ったまま、プロジェクトの作業を並行して進めるというのが建て前だった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
病院ももう建て前が出来た様子で、昔のことを思や地面も三分の一ほかないけれど、旧の家の跡へ親戚で建ってくれたと言うもんだでね。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫
雄々しく現実の複雑さいっぱいを、自分としての生活の建て前で判断し、整理し、働きかける筋をつかみ、そこから湧く生活の弾力ある艶が、若い女の明日の新しい美ともなるのだろう。
— 宮本百合子 『若い娘の倫理』 青空文庫
許婚どころか、自分としては、もう妻という建て前で、それで丹波とお蓮様一党に対してがんばってきたのですが、こうして萩乃さまとさしむかいになってみると、伊賀の源三、てれることおびただしい。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
具足屋は、もとの脇本陣の地所を買って、すっかり建て前をあたらしくしたものだ。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
話は迅く、四月八日|釈迦の誕生日には中心になる四本の柱が立って建て前というまでに仕事が運んでいました。
— 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
ソーリン 格別どうということもないが、だがやっぱりな……(笑う)県会の建物の建て前もあるし、とまあいった次第でな。
— ЧАЙКА 『かもめ』 青空文庫