小菊
こぎく
名詞
標準
small chrysanthemum
文例 · 用例
さすがに上吉田は、明藤開山、藤原|角行(天文十年―正保三年)が開拓して、食行身禄(寛文十一年―享保十八年)が中興した登山口だけあって、旧|御師町らしいと思わせる名が、筆太にしたためた二尺大の表札の上に読まれる、大文司、仙元房、大注連、小菊、中雁丸、元祖|身禄宿坊、そういった名が、次ぎ次ぎに目をひく。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
○ 黄色い小菊の花が一つ路上に棄てゝある――。
— 岡本かの子 『秋雨の追憶』 青空文庫
荷風は『歓楽』の中で、「其の土地では一口に姐さんで通るかと思ふ年頃の渋いつくりの女」に出逢って、その女が十年前に自分と死のうと約束した小菊という芸者であったことを述べている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
彼女は小菊の紙でくちびるのあたりを掩いながら俯向いていた。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
中に咲いたやうな……藤紫に、浅黄と群青で、小菊、撫子を優しく染めた友染の袋を解いて、銀の鍋を、園はきら/\と取つて出た。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
……あゝあの時の、死顔が、まざ/\と、いま我が膝へ…… 白衣幽に、撫子と小菊の、藤紫地の裾模様の小袖を、亡体に掛けた、其のまゝの、……此の友染よ。
— 泉鏡太郎 『続銀鼎』 青空文庫
「……他に何にもなしに、撫子と小菊の模様の友染の袋に入つた、小さい円い姿見と、其だけ入つて居たんです。
— 泉鏡太郎 『続銀鼎』 青空文庫
鳳仙花はもう実となつたし、曲りくねつた野生の小菊はまだ石蕾である。
— 平出修 『夜烏』 青空文庫
作例 · 標準
秋の庭に、黄色や白の可憐な小菊が次々と咲き始めた。
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お供え用の花束に、彩りとしてピンク色の小菊を数本添えた。
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丹精込めて育てた小菊が、品評会で見事に金賞を受賞した。
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標準
small, low-grade piece of Japanese paper (used as a kettle rest, tissue, etc.)
作例 · 標準
茶席で、熱くなった茶釜を置くために懐から小菊を取り出した。
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丁寧に折られた小菊が、茶室の静謐な空気によく馴染んでいる。
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袱紗さばきと共に、小菊の扱いも茶道の所作として教わった。
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標準
piece of paper given as a tip in a red-light district (that can later be exchanged for money)
作例 · 標準
旦那衆が馴染みの芸妓に、懐紙に包んだ小菊をそっと手渡した。
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花街の粋な計らいとして、祝儀を小菊と呼ぶ習慣が残っている。
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昔の小説を読んでいると、遊郭で小切の代わりに小菊が飛び交う描写がある。
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