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水髪

みずがみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
また特に粋を標榜していた深川の辰巳風俗としては、油を用いない水髪が喜ばれた。
九鬼周造 「いき」の構造 青空文庫
「後ろを引詰め、たぼは上の方へあげて水髪にふつくりと少し出し」た姿は、「他所へ出してもあたま許りで辰巳仕入と見えたり」と『船頭深話』はいっている。
九鬼周造 「いき」の構造 青空文庫
」 と遣瀬なげに、眉をせめて俯目になったと思うと、まだその上に――気障じゃありませんか、駈出しの女形がハイカラ娘の演るように――と洋傘を持った風采を自ら嘲った、その手巾を顔に当てて、水髪や荵の雫、縁に風りんのチリリンと鳴る時、芸妓島田を俯向けに膝に突伏した。
泉鏡花 第二菎蒻本 青空文庫
「いいえ、結構でございました、湯あがりの水髪で、薄化粧を颯と直したのに、別してはまた緋縮緬のお襦袢を召した処と来た日にゃ。
泉鏡花 第二菎蒻本 青空文庫
一度五月の節句に、催しの仮装の時、水髪の芸子島田に、青い新藁で、五尺の菖蒲の裳を曳いた姿を見たものがある、と聞く。
泉鏡花 燈明之巻 青空文庫
きょうは、髪の前をちょっとカールして、水髪のように捌いた洋髪に結っていた。
岡本かの子 雛妓 青空文庫
が、姿は雨に、月の朧に、水髪の横櫛、頸白く、水色の蹴出し、蓮葉に捌く裾に揺れて、蒼白く燃える中に、いつも素足の吾妻下駄。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
実際往来を一つ隔ててゐる掘割の明るい水の上から、時たま此処に流れて来るそよ風も、微醺を帯びた二人の男には、刷毛先を少し左へ曲げた水髪の鬢を吹かれる度に、涼しいとは感じられるにした所が、毛頭秋らしいうそ寒さを覚えさせるやうな事はないのである。
芥川龍之介 鼠小僧次郎吉 青空文庫