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陥欠

かんけつ
名詞
1
標準
文例 · 用例
文学の目的が直接にこの弊を救うにあるかどうかは問題外としても情操文学がこの陥欠を補う効果を有し得る事はたしかであります。
夏目漱石 創作家の態度 青空文庫
微かなる陥欠は言辞詩歌の奥に潜むか、又はそれを実現する行為の根に絡んでゐるか何方かであらう。
夏目漱石 艇長の遺書と中佐の詩 青空文庫
でかう云ふ事は、何か陥欠があると起るもので、事件其物を見ると何だか生徒丈がわるい様であるが、其真相を極めると責任は却つて学校にあるかも知れない。
夏目金之助 坊っちやん 青空文庫
自分が此世界のどこかへ這入らなければ、其世界のどこかに陥欠が出来る様な気がする。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
――どんな社会だつて陥欠のない社会はあるまい」「それは無いだらう」「無いとすれば、その中に生息してゐる動物は何所かに不足を感じる訳だ。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
イブセンの人物は、現代社会制度の陥欠を尤も明らかに感じたものだ。
夏目金之助 三四郎 青空文庫
でこう云う事は、何か陥欠があると起るもので、事件その物を見ると何だか生徒だけがわるいようであるが、その真相を極めると責任はかえって学校にあるかも知れない。
夏目漱石 坊っちゃん 青空文庫
現代の文学者をもって探偵に比するのははなはだ失礼でありますが、ただ真の一字を標榜して、その他の理想はどうなっても構わないと云う意味な作物を公然発表して得意になるならば、その作家は個人としては、いざ知らず、作家として陥欠のある人間でなければなりません。
夏目漱石 文芸の哲学的基礎 青空文庫