掻寄
掻寄
名詞
標準
文例 · 用例
杖の柄で掻寄せようとするが、辷る。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
そうするとね、新らしく土を掘りかえした処があッて、掻寄せたあとが小高くなッてて、その上へ大きな石が乗ッけてあって、そこまで小銀が辿って行くと、一条細うく絶々に続いていた胡麻のあとが無くなっていたでしょう。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
折れたる熊手、新しきまた古箒を手ん手に引出し、落葉を掻寄せ掻集め、かつ掃きつつ口々に唄う。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
いい次ぎつつ、お沢の落葉を掻寄する間に、少しずつやや退る。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
」 と件の大笊を円袖に掻寄せ、湖の水の星あかりに口を向けて、松虫なんぞを擽るやうに笊の底を、ぐわさ/\と爪で掻くと、手足を縮めて掻すくまつた、垢だらけの汚い屑屋が、ころりと出た。
— 泉鏡花 『妖魔の辻占』 青空文庫
」藁屑を掻寄せて一処に集め、「せめてこの上へ、貴女、御衣服が台無しでや。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
奴を捩伏せてゐる中に脚で掻寄せて袂へ忍ばせたのだ――早業さね」「やはり嘉納流にあるのかい」「常談言つちや可かん。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
なぜなら、彼女は自分の顔に砂のとびかかるのも知らぬ気に美しい爪を逆立てて掻寄せていたのだ――。
— 蘭郁二郎 『鱗粉』 青空文庫