裏長屋
うらながや
名詞
標準
rear tenement
文例 · 用例
即ち蕪村は、ここで裏長屋の女房を指しているのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
おみよは今年十八で、おちかという阿母と二人で、この裏長屋にしもたや暮しをしていた。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
風雅の心のない武将は人を御することも下手であり、風雅の道を解しない商人はおそらく金もうけも充分でなかったであろうし、朝顔の一|鉢を備えない裏長屋には夫婦げんかの回数が多かったであろうと思われる。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
そのほかにも、うらぶれて、この裏長屋に住み付いてから二十年あまり、鰥夫暮しのどんな佗しいときでも、苦しいときでも、柳の葉に尾鰭の生えたようなあの小魚は、妙にわしに食いもの以上の馴染になってしまった」 老人は掻き口説くようにいろいろのことを前後なく喋り出した。
— 岡本かの子 『家霊』 青空文庫
姉は祖母をかかえて、裏長屋に、間借りをして、そこで、何か内職をして露命をつないでいる。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
……声を出して泣きながら、声も涸れて、やっと薬研堀の裏長屋の姉の内の台所口へ着いた、と思うと感覚が無い。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
はじめは怪み、中は驚いて、果はその顔を見定めると、幼立に覚えのある、裏長屋の悪戯小憎、かつてその黒い目で睨んでおいた少年の懐しさに、取った手を放さないでいたのであったが。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
巡行の巡査が怪んで引立て、最寄の警察で取調べたのが、俵町の裏長屋に居たそれだと謂って引渡された。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
作例 · 標準
例句