隠し穴
かくしあな
名詞
標準
文例 · 用例
それで強いてというお話ですし、一方例の用意もありまして大丈夫だと思ったのです」 例の用意というのは、深山理学士と白丘ダリア嬢には秘密で、この室内の一隅に小さい赤外線|発生灯を点じ、隠し穴を通じて隣室からこの室内を活動写真に撮る。
— 海野十三 『赤外線男』 青空文庫
(女雛の秘密の隠し穴の中へ、宥免状を入れて置こう)と、この品は――(この人形は、姉小路卿のお荷物として、道中安全に取りあつかわれる。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
徳力屋の土蔵の中の金箱の鍵は、大海老錠で持ち歩きが厄介なので、金箱の後ろに拵えた、隠し穴へ入れておくんだそうです。
— 地獄から来た男 『銭形平次捕物控』 青空文庫
「――臨終の間際に、あれをと、お前の母親が、柱の隠し穴から取りださせたものを、細い蝋細工みたいな手にふるえながら持った。
— 剣山の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫
その片手には、柱の隠し穴から取り出したさんらんたるものをつかんでいる。
— 剣山の巻 『鳴門秘帖』 青空文庫
こんな見てならぬものをも、密かに覗き見する酷い無情な隠し穴が、板壁の思わぬ所に設けられてあったのだ。
— 帝獄帖 『私本太平記』 青空文庫
ピストルが発射して、鞠子が倒れると、蓋は元の通りふさいでしまうのですからね」「鞠子さんの倒れていた位置は」「ちょうどその隠し穴の前なのです」「フーン、君の想像が当たっているかもしれないね。
— 江戸川乱歩 『暗黒星』 青空文庫