弾右
たまみぎ
名詞
標準
文例 · 用例
安永年間の安芸国佐伯郡観音寺村林小六所蔵文書弾右衛門支配下の四十八座(「公道」雑誌所載、大江天也師の「旧賤民の由来」所引)というものの中に、陰陽師や神子などと並べて「山牛蒡」というのがある。
— その一例として飛騨の牛蒡種 『憑き物系統に関する民族的研究』 青空文庫
二 牛込肴町に町道場を開いている、中条流の使い手|柴田弾右衛門、一年前から軽い中風に罹って、起居も不自由ですが、門弟たちが感心に離散しなかったので、この正月も、恒例の十一日に稽古始めを行い、鏡餅を開いて深夜まで呑みました。
— 懐ろ鏡 『銭形平次捕物控』 青空文庫
柴田弾右衛門は恐ろしく気楽な男で、門弟の身分などに選り好みを言わなかったのと、百姓町人といえども、身のたしなみに一応の武技は心得ておくべきであるという建前で、門人の半分以上は町の若い者たちに、無禄の浪人ども、それにほんの少数の裕福でない御家人の子弟が交っているという程度のものでした。
— 懐ろ鏡 『銭形平次捕物控』 青空文庫
門弟の中で、川波勝弥と林彦三郎は抜群の使い手で、この二人が柴田弾右衛門に代って稽古をつけてやっておりました。
— 懐ろ鏡 『銭形平次捕物控』 青空文庫
柴田弾右衛門には娘が二人、姉をお類といって二十三、妹をお半といって二十歳。
— 懐ろ鏡 『銭形平次捕物控』 青空文庫
高弟の川波勝弥と娶合せてこの道場を継がせるつもりだったのが、柴田弾右衛門が癈人同様になって、道場の前途がはなはだ心細くなった上、川波勝弥が近頃望まれて、さる大身の養子になることになったので、お類との約束を反古にし、お類はそれを悲しんで自害したのだという噂も伝わりました。
— 懐ろ鏡 『銭形平次捕物控』 青空文庫
行ってみて下さいよ、親分」「師匠の柴田弾右衛門という人は?
— 懐ろ鏡 『銭形平次捕物控』 青空文庫
主人の柴田弾右衛門は、五十六七の中老人で、まだ老い朽ちた年ではありませんが、半歳の病気に蝕まれて、少しむくんだ、鉛色の顔などを見ると、卒中性の鼾を聞かなくても、人など殺せる容体ではないことは余りにも明らかです。
— 懐ろ鏡 『銭形平次捕物控』 青空文庫