実悪
じつあく
名詞
標準
文例 · 用例
真実悪事でも働いた者のやうに胸ばかりドキドキと鳴つて頭は恰で無いものゝやうな感じだつた。
— 牧野信一 『競馬の日』 青空文庫
女役、実悪、半道なんて、各自役所が決まっておりましてな、泣かせたり笑わせたり致しやす。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
」「いやこれはわしが悪かった」 事実悪かったと思ったらしく、兵庫はそう云うと頭さえ下げた。
— 国枝史郎 『猫の蚤とり武士』 青空文庫
実悪・花車形而も同時に璃寛は、早瀬伊織・桜丸・梅王・神谷|転・放駒長吉・木鼠忠五郎など、魁車の役どころでもあり、亦彼の将来をも示してもゐる様な芸境を見せた。
— ――中村魁車を誄す―― 『街衢の戦死者』 青空文庫
男性のすつきりしたと言ふ美其物の様な人なのですから、在来の実悪・色悪など言ふ役処には、理想的形と気分とを具へた人でありませう。
— 折口信夫 『芝居に出た名残星月夜』 青空文庫
「立役」はしても「実悪」を兼ることは絶対になかつた。
— 折口信夫 『芝居の話』 青空文庫
友右衛門は、そんな風に、本然の姿から云へば立役・実悪と言つた風なものが向くと思ふのですが、口が邪魔をして、そこへ行けません。
— 折口信夫 『実悪役者を望む』 青空文庫
丁度、幸四郎が実悪にならないやうに、友右衛門もその本領らしい実悪にならないので、惜しいことだ、と思ひます。
— 折口信夫 『実悪役者を望む』 青空文庫