極所
きょくしょ
名詞
標準
文例 · 用例
」 語る時、十有数日の間を蒸しに蒸した、人類の汗を絞り抜いた、一昨日来の気圧は、正にその極所に達したと見えて、陰々たる中にものの響、柱がきしむようである。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
神秘を求めず、奇蹟を願わず、常の道を、自己の力によって、一歩々々と深めて行き、その深められた極所において、一切を握りしめている一個の人間を、彼は彼自身において見出した。
— 下村湖人 『論語物語』 青空文庫
かくして必死の覺悟を以て創められた緑蔭叢書も、「春」を出し「家」を出すに到つてその藝術境は殆んど極所に到つたものと見られるのである。
— 蒲原有明 『緑蔭叢書創刊期』 青空文庫
東湖の手腕用ゆる所なく、佐久間の経綸施す所なく、小楠の活眼行う所なく、智勇|交も困むの極所に際し、かえって暴虎馮河、死して悔なき破壊的作用のために、天荒を破りて革新の明光を捧げ来るものあり。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫