躊
躊
名詞
標準
文例 · 用例
既に書いてしまったものを今更悔いても仕方がないが、一度慚愧の念に襲われては、何事にも無頓着なる予と雖も、さすがに躊躇するのである。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
門前に躊躇しながら内をのぞいてみると。
— 伊藤左千夫 『根岸庵訪問の記』 青空文庫
『君はさういふけれど、人には好不好と云ふものがある、僕はかういふのが好きなのだから仕方が無いぢやないか』 と云ふならば、吾輩も一議なく石川君に同情して其歌を一種の創作と認むるに躊躇しないのである。
— 伊藤左千夫 『『悲しき玩具』を読む』 青空文庫
躊躇する暇もない、忽門前近く来てしまった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
けれども萬一、私が『表現の祕訣』を握つたあかつきには、私は私の藝術を捨てることを躊躇しない。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
何人も、何れが芸術家であるかという質問に対して、躊躇なく後者を答えるだろう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
しかしながら質問の言葉を換えて、もし何れが詩人的な人物かと聞くならば、おそらく何人も、多少の困惑と躊躇なしに、答えることができないだろう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
例えばソクラテスが獄中で書いたイソップ物語の韻文訳や、アリストテレスが書いた韻文の論理学やは、形式上に於て確かに音律本位であり、文字通りの正しい韻文であるけれども、吾人はこれを詩と呼ぶべく躊躇する。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫