聞き合う
ききあう
動詞
標準
文例 · 用例
……」 おようさんは長年病身の一人娘をかかえて、私同様、殆ど外出することもないらしいので、ここ四五年と云うものは私達はときおりお互の噂を聞き合う位で、こうして顔を合わせたことはついぞなかったのだ。
— 堀辰雄 『菜穂子』 青空文庫
……」 おようさんは長年病身の一人娘をかかえて、私同様、殆ど外出することもないらしいので、ここ四五年と云うものは私達はときおりお互いの噂を聞き合う位で、こうして顔を合わせたことはついぞなかったのだ。
— 堀辰雄 『楡の家』 青空文庫
これらの人々は、こうして、なにか問題が起こるとたがいに口をききあうが、そうでもなければ一|軒の家でも、めったに話すらせずに下を向いて指先をみつめながら仕事をしているのでした。
— 小川未明 『火を点ず』 青空文庫
口をききあうには、二人の気持が、少し複雑になり過ぎていた。
— 第二部 『次郎物語』 青空文庫
道などで会えば口をききあうが、それも以前とは違ってよそよそしく、とりつくろった調子が感じられた。
— 山本周五郎 『柳橋物語』 青空文庫
もちろん根拠のないものだから、四、五日も経つか、口でもききあうようになれば、これらの評はすぐに逆転するばかりでなく、たちまち親類以上のちかしいつきあいに変るのであった。
— 山本周五郎 『季節のない街』 青空文庫
ところがこれが下町になると、それも竜泉寺界隈のような処だと、みせやが多いし、またしもたやでもがらっと門口をあけると一目で家内中が見渡されるような家がざらなので、毎日のことではあるし、自然親しい口をききあうようになるのである。
— 小山清 『安い頭』 青空文庫