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筆太

ふでぶと
形容動詞名詞
1
標準
a bold hand
文例 · 用例
机の前に坐って傍の障子を見ると、姪がいつの間にか落書したのであろう、筆太に塗りつけた覚束ない人形の絵が、おどけた顔の横から両手を拡げている。
寺田寅彦 障子の落書 青空文庫
さすがに上吉田は、明藤開山、藤原|角行(天文十年―正保三年)が開拓して、食行身禄(寛文十一年―享保十八年)が中興した登山口だけあって、旧|御師町らしいと思わせる名が、筆太にしたためた二尺大の表札の上に読まれる、大文司、仙元房、大注連、小菊、中雁丸、元祖|身禄宿坊、そういった名が、次ぎ次ぎに目をひく。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
白ぼたん、という筆太な、お家流の様な字を細長く囲んだ四角な框を中心に、二つ三つ葉をあしらった牡丹の花を、派手に刷った西洋紙の小さな薄い包みが器用に、婆やの掌の上で開かれると、ぴかぴか、光る銀の延紙のなかの飴色の透きとおる下包の紙の上に、ぼてぼてした粉なお白粉が、多量に盛られてある。
岡本かの子 かやの生立 青空文庫
」 お千世は、薄気味悪そうに、お孝の袂に掴まりながら、直ぐ目の前なを、爪立って覗くように、と見ると、比羅紙の、およそ二枚|凧ぐらいな大きさの真中にぼつりぼつりと筆太に、南無阿弥陀仏、と書いたのが、じめじめとして、さながら、水から這上った流灌頂のごとく、朦朧として陰気に見える。
泉鏡花 日本橋 青空文庫
勿論、此樣な絶島の事だから、决して立派な建築ではない、けれど可なり巨大な板家で、門には海軍の家と筆太に記され、長き、不恰好な室が何個も並んで見へるのは、部下卅七|名の水兵等と同居の爲だらう。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
西の内二枚半に筆太に、書附けたる広告の見ゆる四辻へ、侠な扮装の車夫一人、左へ曲りて鮫ヶ橋谷町の表通、軒並の門札を軒別に覗きて、「黒瀬ぬい、と、ええ、黒瀬と、さっぱり知れねえぞ、こっちは土方職、次は車力、引越荷車|仕候か、お次は何だ、鋳掛屋かい、差替りまして蝙蝠傘直、さあさあ解らねえ。
泉鏡花 貧民倶楽部 青空文庫
その下あたり、札をかかげて、一人々々役者の名を筆太にこそ記したれ。
泉鏡花 照葉狂言 青空文庫
葉書|一杯の筆太の字は男の手らしく、高飛車な文調はいずれは一代を自由にしていた男に違いない。
織田作之助 競馬 青空文庫
作例 · 標準
彼の書く文字は、筆太で力強く、説得力に満ちていて、いつも感銘を受ける。
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お店の看板の文字を筆太で書くことで、遠くからでもはっきりと目立つように工夫した。
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彼女は筆太の文字を好むため、常に太めのペンを選んでメモを取っている。
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