敵娼
あいかた
名詞
標準
文例 · 用例
珠数屋の大尽とか申す町人の敵娼は、何と言う太夫じゃ」「困ります。
— 京へ上った退屈男 『旗本退屈男 第四話』 青空文庫
「もう半年も前のことやよつて、今でもそこに居やはるかどうか知れへんけれど、家へ来る牛乳屋はんが遊びに登楼らはつたら、そしたらその敵娼はんが、どうどツしやらう、お信さんどしたいふやおまへんか。
— 加能作次郎 『乳の匂ひ』 青空文庫
それ故|娑婆の悦びもこれでおしまいかと思えば興奮のあまり、昨夜|敵娼の頬をメロンだメロンだと叫んでかぶりついたのであるが、女はこういう天外な芸術家を理解しようとはせずにびっくりして飛び出したのである。
— 金史良 『天馬』 青空文庫
敵娼はいずれもその傍に附き添い、水を杓んでやる、掛けてやる、善吉の目には羨ましく見受けられた。
— 広津柳浪 『今戸心中』 青空文庫
彼のエネルギッシュな敵娼の理解を得ることができず、ついに暴力をもって征服されちまったのである。
— 海野十三 『幸運の黒子』 青空文庫
彼の敵娼に定ったのは、「カマルー小」と云って、未だ肩揚のとれない、十七位の、人形のやうに円いのっぺりした顔をした妓であった。
— 池宮城積宝 『奥間巡査』 青空文庫
すると思ひ做しか男の顔が、彼の敵娼の、先刻別れたばかりのカマルー小の顔に似て居るやうに思はれた。
— 池宮城積宝 『奥間巡査』 青空文庫
その家々の風で変りはありますが、敵娼の義理から外の女郎を仕舞わせるほど馬鹿々々しいものはありますまい。
— 三遊亭圓朝 『根岸お行の松 因果塚の由来』 青空文庫