手文庫
てぶんこ
名詞
標準
box for holding papers or stationery
文例 · 用例
」 先輩は笑いながら手文庫を持ち出し、しばらく捜して一通、私に手渡した。
— 太宰治 『誰』 青空文庫
青扇は床の間の隅にある竹の手文庫をかきまわしていたが、やがて小さく折り畳まれてある紙片をつまんで持って来た。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫
部屋の隅にあった子供のおしめで顔を拭き、荒い呼吸をしながら下の部屋へ行き、店の売上げを入れてある手文庫から数千円わしづかみにしてジャンパーのポケットにねじ込み、店にはその時お客が二、三人かたまってはいって来て、小僧はいそがしく、「お帰りですか?
— 太宰治 『犯人』 青空文庫
世帯崩しに、はらはらとお急ぎなされ、それ、御家の格子をすっと入って、その時じゃ――その時覚えました、あれなる出窓じゃ―― 何と、その出窓の下に……令嬢、お机などござって、傍の本箱、お手文庫の中などより、お持出でと存じられます。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
が、また、かの女のきんからかんの手文庫を明けて、何か怪しい手紙でも來てゐはしないかと調べて見た。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
しかも、その内一件は、旗本屋敷へ忍び込んで、三十両はいっている主人の手文庫を盗んでいる。
— 菊池寛 『奉行と人相学』 青空文庫
お金ならわたしでできることなのだから、わたしがしてあげよう) 紀久子はそう心の中に呟いて、手文庫の底からそこにありたけの紙幣を掴むと、それをポケットに突っ込んで自分の部屋を出た。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
中は、中は、手文庫ばかりの白木の箱。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
作例 · 標準
手紙や文房具をしまうために、引き出しに手文庫を置いている。
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祖母は大切な書類を、漆塗りの美しい手文庫にしまっていた。
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机の上には、筆や墨が入った小さな手文庫があった。
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