石南花
しゃくなげ
名詞
標準
文例 · 用例
あるいは恒雪線にそい、あるいはすこし下って、一万フィートあたりの石南花帯をゆく。
— 天母峰 『人外魔境』 青空文庫
岩の上には処どころ石南花の真紅の花が咲いていた。
— 田中貢太郎 『岩魚の怪』 青空文庫
「オオ、ほんに、柿の樹が有るそうな」とお種は身を曲めて、庭の隅に垂下る枝ぶりを眺めながら、「嘉助がよく御厄介に成ったもんですから、帰って来てはその話サ――柿だの、李だの、それから好い躑躅だのが植えてあるぞなしッて」 庭には桜、石南花なども有った。
— 島崎藤村 『家(上巻)』 青空文庫
奥の植込みに、石南花が今を盛りに咲いていた。
— 宮本百合子 『九州の東海岸』 青空文庫
石南花など、七八年前札幌植物園の巖の間で見た時は、ずんぐりで横にがっしりした、まあ謂わば私みたいな形だったのに、ここで見ると同じ種類でもすらりとし、背にのびている。
— 宮本百合子 『九州の東海岸』 青空文庫
自然石が配置されてる石南花の茂みの中に、鳥らしいものがひそんでいる。
— 豊島与志雄 『女心の強ければ』 青空文庫
俺は周囲の岩さんたちや、向うの年若な偃松仲間や、美しい黄花石南花の連中と、たがいに顔を見合わせた。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫
八月の前半は一面の黄花石南花で、実におどろくばかりの見物だった。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫