西隅
せいぐう
名詞
標準
文例 · 用例
この夜景の中に藍染橋と土橋の袂へ二口の片側町の口がつき、それが町中へ入るに従ってだん/\家数の影は濃くなり、町家の群から抽んでて聳え立つ西隅の遊郭は煌々した灯を鏤めて怪物の棲む城のようです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
スピッツバーゲンの北西隅にあるアムステルダム島は、わが右舷のかたに当たって見える――島は火山岩の凹凸線をなし、氷河を現出している白い地層線と交叉しているのである。
— 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃 『世界怪談名作集』 青空文庫
それに驚いた領主は、さらにまたその頃花鳥画家として声名の高かつた黄筌を召し出し、庭の西隅で同じやうに一つがひの野鵲を描かせたが、今度は別に何の不思議も起こらなかつた。
— 薄田泣菫 『水仙の幻想』 青空文庫
江戸の西隅、青山|摩利支天大太神楽興行……とあって、これが大へんな人出だった。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
私は始めに西隅にあるニェンボ・リーゾンという阿弥陀如来の祀ってある寺に参詣しました。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
お笛は屋敷内の西隅にある直次郎の住居の、茶室造りになっている離室に起き臥ししていた。
— 山本周五郎 『嫁取り二代記』 青空文庫
熊本県の南部でケサカケ、嶺を越て宮崎県の西隅でもケサバナというのは、やはり同じように折って首に掛ける風があったからと思う。
— 野草雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫
そして彼はヨハネの活動したペレヤ地方並びにヘロデの居城たるチベリアス付近を避けて、ガリラヤ湖の北西隅の一角に福音を宣べ伝えられたのです。
— マルコ伝による 『イエス伝』 青空文庫