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物柔らか

ものやわらか
形容動詞
1
標準
文例 · 用例
多分政宗方では物柔らかに其他意無きを示して、書院で饗応でも仕たろうが、鎧武者を七人も八人も数寄屋に請ずることは出来もせぬことであり、主従の礼を無視するにも当るから、御免|蒙ったろう。
幸田露伴 蒲生氏郷 青空文庫
「ご僧」 静かにうしろへ近づくと、名人は物柔らかく、だが、その目の底になにものも見のがさぬさえた光をたたえて、静かにきき尋ねました。
開運女人地蔵 右門捕物帖 青空文庫
おまえもここにいたか」 その声に答えるもののごとく、怪猫がニャゴウと鳴きたてましたものでしたから、名人の口辺に静かに微笑がのると、物柔らかな問いが発せられました。
京人形大尽 右門捕物帖 青空文庫
ひとごとながら、ほんとに気がもめるじゃござんせんか」 そのとおり、そのとおりというように、うしろから尼僧院のいと静かなる聖鐘が、物柔らかく一行の影の上に流れ渡りました。
京人形大尽 右門捕物帖 青空文庫
――きらりと光った目の色をかくして、ほのかな微笑をたたえながらはいっていくと、物柔らかな声とともに赤前だれの娘に問いかけました。
闇男 右門捕物帖 青空文庫
舅小姑の面倒があるでは無し、主人の小幡は正直で物柔らかな人物。
お文の魂 半七捕物帳 青空文庫
公立の学校よりも、私立の学校の方が、先生が物柔らかに親切に教えてくれるとかいう噂もあったが、わたしは私立へ行かないで公立へ通わせられた。
岡本綺堂 綺堂むかし語り 青空文庫
敷島の道には上下の隔てもないという優しい公家気質から、大納言はこの賤の女にむかっても物柔らかに会釈した。
岡本綺堂 玉藻の前 青空文庫