異木
ことき
名詞
標準
文例 · 用例
「則其尋名勝、訪故迹、問奇石、看異木、唯良佐之尾是視、則良佐固驥、而余之為※也再矣」と云ふのである。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
私の家には、そんな勿体づけられた異木佳樹といつては、ほんの一株も見られないのみか、その悉くがそこらにざらにある雑木雑草なのだ。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
そうして大名衆や旗本衆や、大金持の人々から、大口の注文を承わっては、即座に数十本であろうと数百本であろうと、どのような珍木異木であろうと、注文通り納めているのだよ」「そういう大きな植木師をしながら、人を殺す恐ろしい毒の木を、東海林自得斎は育てて居りますのね」「いいや、今では数を殖やしているのさ。
— 国枝史郎 『仇討姉妹笠』 青空文庫
あるいは陰火、あるいは竜灯、あるいは奇草、あるいは異木、これ妖怪なりというも、かくのごときは、みな妖怪の現象にして、妖怪そのものの解釈にあらず。
— 緒言 『妖怪学講義』 青空文庫
檐には尾垂と竹の雨樋が取付けてあり、広い庭に巴旦杏やジャボン、仏手柑などの異木が植えられ、袖垣の傍には茉莉花や薔薇花などが見事な花を咲かせている。
— 長崎ものがたり 『平賀源内捕物帳』 青空文庫
なるほど狩猟のためまたは採樵のために山に入る者も目標の必要があるゆえに、あるいは古木・異木によりあるいは地形によりあるいは水の音などによって、土地に符号を付けるであろう。
— 柳田國男 『地名の研究』 青空文庫