追い退ける
おいしりぞける
動詞
標準
文例 · 用例
敷居際に膝を突いている下女を追い退けるようにして上り口まで出た。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
こう云う傾斜のはなはだしい所ですから、いざと云う時に、すぐ遠くから駆け寄せて敵を追い退ける訳に行きませんので、みんなこう云うところへ平たくなって噛りついているのであります。
— 夏目漱石 『満韓ところどころ』 青空文庫
しかし……」 津田がこう云いかけた時、お延は冷かな(けれども落ちついた)夫の言葉を、掬って追い退けるように遮った。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
しかし其喇嘛が成長して政治へ嘴を入れるようになると夫れを邪魔にして追い退ける。
— 国枝史郎 『喇嘛の行衛』 青空文庫
その力は比喩的で、生殖器のもつだけの力が出て、悪いものを追い退けるということになる。
— 折口信夫 『石の信仰とさえの神と』 青空文庫
わたしはそれを追い退けるようにしていた。
— ЗАПИСКИ ИЗ ПОДПОЛЬЯ 『地下生活者の手記』 青空文庫
昆虫の幼虫などには自分より強い敵に出遇うたときに虚喝をもってこれを追い退ける者がある。
— 丘浅次郎 『自然界の虚偽』 青空文庫
桜子はゾッとして身を狭めましたが、もう声を立てる気も、追い退ける気もありません。
— 第三夜 お化け若衆 『新奇談クラブ』 青空文庫