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矗々

矗々
名詞
1
標準
文例 · 用例
そこで小児は、鈴見の橋に彳んで、前方を見ると、正面の中空へ、仏の掌を開いたように、五本の指の並んだ形、矗々立ったのが戸室の石山。
泉鏡花 薬草取 青空文庫
旅館を出てまだいく程もない処に――路の傍に、切立てた、削つた、大な巌の、矗々と立つのを視た。
泉鏡太郎 続銀鼎 青空文庫
大方の冬木立は赤裸になった今日|此頃でも、樅の林のみは常磐の緑を誇って、一丈に余る高い梢は灰色の空を凌いで矗々と聳えていた。
岡本綺堂 飛騨の怪談 青空文庫
十幾棟の大伽藍を囲んで、矗々と天を摩している老杉に交って、栃や欅が薄緑の水々しい芽を吹き始めた。
菊池寛 仇討三態 青空文庫
水を切って、車輪のように大きい真紅や雪白の蓮華が、矗々と生えて居る。
菊池寛 極楽 青空文庫
生れたままの、自分の意志――というよりも我意を、高山の頂に生いたった杉の木のように矗々と沖らしている大将であった。
菊池寛 忠直卿行状記 青空文庫
何の風情もない、饅頭笠を伏せた様な芝山で、逶※した径が嶺に尽きると、太い杉の樹が矗々と、八九本立つてゐて、二間四方の荒れ果てた愛宕神社の祠。
石川啄木 赤痢 青空文庫
何の風情もない、饅頭笠を伏せた樣な芝山で、逶※した徑が嶺に盡きると、太い杉の樹が矗々と、八九本立つてゐて、二間四方の荒れ果てた愛宕神社の祠。
石川啄木 赤痢 青空文庫