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仮の世

かりのよ
表現名詞
1
標準
this transient world
文例 · 用例
哀れに思ったが、ただ仮の世の相であるから宮も藁屋も同じことという歌が思われて、われわれの住居だって一所だとも思えた。
夕顔 源氏物語 青空文庫
それを知りながら仮の世の執着が離れず、人に心の惹かれることのやむ時がない自分であると源氏は恥じた。
朝顔 源氏物語 青空文庫
泣く泣くも帰りにしかな仮の世はいづくもつひのとこよならぬに という歌であった。
まぼろし 源氏物語 青空文庫
してみれば、その者にとって衣食住は仮の世界、さまよう自分の旅ごころこそ実の世界、と念うもの佗びた心情もあの草の中の障子の白さの中には棲んでしまっていると思った。
横光利一 旅愁 青空文庫
一頃は本所辺に小さな家を借りて、細君の豊世と一緒に仮の世帯を持ったが、間もなくそこも畳んで了い、細君は郷里へ帰し、それから単独に成って事業の手蔓を探した。
島崎藤村 家(下巻) 青空文庫
老のこの身のいまはまで守らせたまへわが胸の奥底ふかく守らせたまへ仮の世の消えぬべき思出を。
永井壮吉 偏奇館吟草 青空文庫
『思うにこの世は仮の世なり。
梅崎春生 Sの背中 青空文庫
豐田太左衞門氏は、ゆゐしよある老舖の御主人にして、これまた、長者のふうあり、もののわかりのよきこと無類、三四年前、私と一緒に銀座うらを漫歩せしことありしが、私をしてまるで、鏡花、荷風などの老文士とともに在るが如き思ひを懷かしめた。
太宰治 人物に就いて 青空文庫
作例 · 標準
どうせ仮の世の物語だと思えば、今の苦労も少しは軽く感じられる。
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彼は「所詮ここは仮の世だ」と口癖のように言い、物欲を全く見せなかった。
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豪華絢爛な城も、歴史の奔流に洗われれば仮の世の夢に過ぎない。
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浮世絵に描かれた人々の喧騒が、かえってこの世が仮の世であることを突きつけてくる。
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